見えないから何をしても良いのでしょうか？？NO.2

2010年11月18日（木）11時54分

今回は弊社の土間コンクリートの仕様についてご説明します。

コンクリート　　　厚み10ｃｍ
砕石路盤　　　　　厚み10ｃｍ
ワイヤーメッシュ　線型6ｍｍ　網目150ｍｍ

砕石路盤転圧中。

土間コンクリートの中で重要な砕石路盤。弊社が砕石の厚みを10ｃｍにしている理由を説明します。

①地盤の固さ
前回の時も少し書きましたが、土が持つ地耐力が関係します。
岩盤であればその上にコンクリートをそのまま打ったとしても地盤沈下することはまず無いでしょう（1㎡当たり50t以上を支えれるぐらい固いので）。

しかし、客土された土や元々あった土（粘土質など）などは地耐力が低く、粘土質の土であれば1㎡当たり1t程度しか支えきれない場合があります。
また地下水や水の流れる道が出来て、一部分の土が沈下することも考えられます。

私が砕石路盤に厚みが必要と考える一つの理由として、土間コンクリート自身の重さに加え、車の重さ、またハンドルを切り回した時に掛かる荷重を均等に地中に分散させる為に必要だと考えています。

砕石の厚みが薄いと重さや荷重を分散させることが出来ずに、一点荷重によって、その部分が地盤沈下する可能性が高いと考えています。
地盤沈下が起こると、コンクリートと土（もしくは砕石）の間に空洞が出来るので、その部分に再度荷重が掛かると、クラック（ひび割れ）が起きやすくなります。

よって一つ目の理由は「荷重を地中に均等に分散させる為」ということです。

②凍結深度
あまり聞きなれない言葉だと思います。

「凍結深度」とは冬季に土の表面がどこまで凍る可能性があるか、という目安です。

同じ都道府県内でも地域によって変わるのですが、関東では20ｃｍ程度と云われていました。
コンクリート10ｃｍ+砕石10ｃｍ＝20ｃｍ。

前回も少し書きましたが、土が凍ると10ｃｍぐらいのコンクリートでしたら簡単に上へ持ち上げる力があります。
これを防ぐ為に、土を水分をほとんど含まない砕石に置き換える必要があります。

では、香川県の凍結深度が何ｃｍなのか気になりますよね？

残念ながら役所の色々な部署に聞いたのですが、温暖な香川県では凍結深度について明確な数値は無い、との回答でした。しかし、北海道では50～60ｃｍ、東北では30ｃｍと寒い地方は地域によって決められているそうです。
長野県でエクステリア会社をしている私の仲間に聞くと、「砕石の厚みは場所によって変わるけど20～30cmぐらいだよー」と教えてくれました。理由はもちろん「凍結深度」です。

香川で凍結深度が決められていないのは分かったのですが、何か根拠になるものが無いかと色々考えました。

私の友人に設備屋さんが居て、話をしていると「水道管が凍ると管が破裂する」と言いました。
ならば、水道管が凍らない深さに配管しているのでは？と思い凍結深度について聞いてみましたが、やはり数値については知らないとのことでした。
しかし、「土の表層から管の天端が最低でも25ｃｍは土がかぶるようにしている」とも言いました。

と云う事は香川でも20ｃｍぐらいは土が凍る可能性（+荷重によって管が割れることも考えてあるでしょう）があると考えられそうです。

凍結深度が決められていないことからも、砕石の厚みが5ｃｍでも大丈夫なんだと思いますが、弊社では「荷重と凍結」の両方から考えて砕石の厚みは10ｃｍと決めさせて頂いております。

念のため、記載しておきますが、砕石の厚みが10ｃｍだから絶対にクラックや地盤沈下が起こらない、とは云えません。
自然の力やコンクリート自身の不良など様々な要因が絡んだ結果、弊社の仕様（コンクリート・砕石ともに10ｃｍ）でもクラックや地盤沈下が起こることは十分に考えられます。

しかし、起こりうる事態、考えれる事態を最大限考え、それを可能な限り防ぐ努力をする必要（義務）があります。
現時点では砕石10ｃｍで「荷重と凍結」に耐えられると考えておりますが、環境の変化が著しい昨今ですので、仕様の変更を見直す時がくるかもしれません。

とにかく、現時点で考えれる最良の方法を常に考え、常に進化し続け、よりよいエクステリアをお客様にご提案したいと思います。

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