2023年06月26日(月)03時55分
「水を縫う」寺地はるな
子どもは余計なことばかりする。だったら先回りしてそれを取り除いておく必要がある
あんたには失敗する権利がある
私自身は自分の子どもたちに無関心ではいたくない。だって子どもより大人の方が、ずっといろんなことをわかっているんだから。教えてやるのが大人の役目なのだ。
自分の子供のことは大切だ。幸せになってほしい。だから、ほうっておけない。
最近読んだ寺地はるな著「水を縫う」の第三章からの抜粋なんですが、登場人物は主人公?の高校生の男の子、20代半ばのお姉ちゃん、お母さんとお祖母ちゃんの4人家族。隣町に離婚したお父さんが住んでいる、感じなんですが小説はそれぞれの人物からの視点で描かれているのですが、第三章はお母さんのお話です。
最初に抜粋した4文のうち、2番めはお祖母ちゃんがお母さんに言った言葉でそれ以外はお母さんが子育てにおいて感じていたいこと、実際に行ってきたことです。
お祖母ちゃんから「あんたには失敗する権利がある」と言われ育てられたことに対して「私は子どもには失敗してほしくない」というお母さんの思いが描かれています。
これを読んでいて私と妻との関係にソックリだな、と思いました。私はお祖母ちゃんの考えと同じで妻はお母さんの考えとよく似ています。小説の中にお祖母ちゃんがお母さんに例をあげて話している場面があります。
「明日、降水確率が50%とするで。あんたはキヨ(主人公の男の子)が心配やから、傘をもっていきないって言う。そこから先は、あの子の問題。無視して雨に濡れて、風邪をひいてもそれは、あの子の人生。今後風邪をひかないためにどうしたらいいか考えるかもしれんし、もしかしたら雨に濡れるのも、けっこう気持ちええかもよ。あんたの言うとおり傘持っていっても晴れる可能性もあるし。あの子には失敗する権利がある。雨に濡れる自由がある」
私は子どもたちに「考えるチカラ」を持ってほしいと思っています。自分で考えるようになるには色々な経験をする必要があると思います。
「夕方帰る頃には雨が降りそうだよ」「夜は寒いかもよ」「昼間は暑いみたやで」
夕方雨が降る、と言われても朝、家を出る時はお日様出てていい天気、夜寒い、と言われても今は暖かい、昼間は暑い、と言われても昨日は涼しかった、と子どもはこどもなりに考えて傘は持たずに学校に行ったり、上着を持たずに遊びに行ったりすると思いますが、私はそれで良いと思ってます。夕方雨に濡れたら「天気予報って当たるんや」とか雨が降らなかったら「ほら大丈夫やったやん」とか。どう思っても経験できることが良いと思います。もちろん、傘を無理やり持たされて雨をしのげば「言うこと聞いてよかったな」「天気予報は参考になるんやな」とそれはそれで思うこともあり良いとは思いますが、「お母さんの言うことを聞いておけば良い」となると自分で考えるチカラがなかなか育たないと思います。
自分が実際に失敗したり傷ついた経験から、子どもに考えさせて判断させたことを見守る、というのはすごく難しいのですが失敗すると分かっていてもそれを見守り、サポートやフォロー出来る親で居たいなあと思いました。
最近の話ですが、4月下旬に高校生の娘が「部屋のクーラーがカビ臭い」と言ってきました。私はエアコン洗浄スプレーを渡して掃除をしたら?とスプレーを渡しました。洗浄スプレーは缶の側面に使い方を書いており、クーラーの前面パネルを開けて、中のフィルターを取り出して、内部にスプレーをする、というもの。手取り足取り教えて無くても誰で出来るものだと思います。
しかし1ヶ月ぐらい経って小学生の長男が寝る時に使っている扇風機をお姉ちゃんに持っていかれた、という話を聞いたので長女にクーラーを掃除したのか、と聞いてみたらまだ掃除をしていないという。使い方はこうやから、パパが一緒になって教えてするようなものじゃないから早く掃除しなさい、と話をしました。
気温も高くなってきた6月下旬、長女の部屋に入ると湿気で蒸し暑い空気の中で扇風機を回して勉強している長女。どうやらまだ洗浄スプレーをしていない様子。困ったもんですね。
さすがにこのまま行くと熱中症になりかねないのでどうにかしないといけないのですが、どんな方法になっても自分で作業はさせないといけないので作戦を練ってみます。大学は県外に行くつもりみたいなので、家にいる(親がいる)間に自分で(失敗を含めて)色々実際にやってみる、という風にさせたいのですがなかなか難しいですね~(汗)
「水を縫う」はおもしろい小説でしたので良かったら手にとって読んでみてください^^