2016年02月16日(火)07時59分
お待たせしました!「HIGH DECK」の続きです!
今回使っている塗料「ノンロット」を販売している「三井化学産資株式会社」さんに色が違う件について相談をしていたのですが、何度かやりとりをさせていただいて原因が判明しました。
原因はこれです。塗装を専門にされている人や塗装を何度もしたことがある人だとこの画像でピンとくるハズ。「プロ」としては恥ずかしい原因をここに堂々と書くのは恥ずかしいので、気になる人は「続き」をクリックしてくださいm(_ _)m
撹拌不足
はい、建築屋さんが塗ったものと私が塗ったものの色が違う原因です。
「三井化学産資株式会社」さんから最初にいただいた返信にズバリ書かれていました。「顔料」は時間が経つと缶底に沈殿してしまうらしく、塗料が入った缶を上下左右に揺するぐらいでは沈殿した顔料を撹拌することは出来ないそうです。
塗料が入った一斗缶にはシールが貼られており、「顔料が沈殿しているので使用前に缶をよく揺すり、棒などで撹拌してください」と書かれています。もちろん、この注意書きを読んだのですが、私は缶をよく揺すれば棒を使ってまで撹拌する必要はない、と判断してしまいました。
顔料が沈殿する、という知識がないため、缶を上下、左右、これでもか!というぐらい揺すりました。別の容器に塗料を移し、それが無くなって缶から塗料を補充するたびに缶を何度も何度も揺すってから塗料を別に容器に出していたので「撹拌不足」というのは全然頭にありませんでした。
最初に色を塗った時に色の違いは油分の多いベイヒバなので木が塗料を吸い込まないので色が違うと思いました。何度か重ね塗りをすれば思っている色になると思っていました。
しかし、何度塗っても茶色にはならず、緑っぽいまま。
途中で建築屋さんが補修用に置いて行ってくれた塗料の存在を思い出し、色を確認すると写真の下側のような色(茶系)で、上側の写真の色とあまりに違うため、塗料を間違えた、建築屋さんは現場で色を調合したのではないか、などと色々考えました。
さすがに現場で色を調合することはないだろう、と思い建築屋さんには連絡せずにメーカーに連絡してみたのですが、危なかった、建築屋さんに余計な連絡をするとこでした(汗)
一応、メーカーさんからは木の種類が違うことも原因の一つだと思います、との回答がありましたが、可能性が高いのは撹拌不足だと思うので棒で缶底を触ってみてください、とメールに書かれていました。
最初にいただいたメールを原文のまま記載します。
ご質問につきましてご回答させていただきます。
ご質問から推測しますと考えられることがございます。
①材種によっての色の違い
②攪拌不足による顔料の沈降
①につきまして、ノンロットは材種によって色がかわる場合がございます。
これは、ノンロットだけではなく他社品含めて木材保護塗料自体がそのような特徴がございます。
理由として元々木の風合いや木目を活かす塗料(半透明塗料)のため塗装する材種の色が
赤みが強ければ、赤い方に黄色みが強い材種であれば黄色の方によっていきます。
また木材のカット面や木表、木裏でも塗料の吸い込み具合がかわってきますので色がかわる可能性がございます。
その為、当社ではサンプル缶で事前確認をおススメさせていただいております。
②につきましては、ノンロットの塗料の特徴として缶底に顔料が沈降してしまう特徴がございます。
ノンロットは塗りやすさや仕上がりの完成度の高さを追究した塗料です。
そのため、塗料自体の粘度が非常に低いため、塗りやすく刷毛ムラや塗り継ぎムラが発生しにくいようにしております。
そのような特徴から保管中は(缶を置いておく)顔料が缶の底に沈降します。
沈降してしまった顔料は缶の底に付着しており、缶を揺するほどでは缶底から顔料が
剥がれずにそのまま残ってしまい色が出ない場合がございます。
棒などで缶底に付着した顔料をそぎ落としていただくことが必要になります。
缶底に顔料が付着しておりますと、塗り終わった空の缶底に顔料が確認できます。
顔料が残ってますと通常のお色が出ていないことになります。
使用されたノンロットは残っておりますでしょうか。
また杉と米ヒバの各ウッドデッキは同じ缶もしくは別々のオリーブを塗られた状況でしょうか。
お手数ですが写真をお送りいただければご確認させていただきます。
缶が残っておりましたら缶底を確認していただければ判断できる可能性がございます。
中身がまだ残っており底が確認できる状態でないということでしたら
缶口から入る程度の棒で缶底をひっかいていただくと先端に顔料が付着する場合がございます。
ご確認いただければと思います。
と回答いただきました。
顔料が沈むのは「ノンロット」の特徴、と書かれていますが、塗装屋さんに確認すると程度に違いはあっても顔料が沈殿することはどの塗料でもあることで、塗る前には一斗缶をひっくり返したり(天地返し)、棒で撹拌するそうです。
しかし、この「ノンロット」は仕上がりの完成度を追求した、とありますが、確かに塗ったあとの肌触りはベタつきがなく、スベスベしていてとても気持ちのよい肌触りです。この点からも「ノンロット」を塗ったことに後悔はないのですが…。
で、家に帰ってさっそく棒で缶底を触ってみると…
感じます。缶底にねっとりした何かを…(顔料ですw)。
缶底からこそぎ取るように棒を動かしてみますが、結構力を入れないとこの何か(顔料ですw)は棒が動きません。これが顔料だとする(だから顔料ですw)と缶を揺すったぐらいでは混ざるハズがないぐらいの抵抗を感じます。棒で缶底の顔料をきれいにさらってみて、キャップをして缶を揺すります。で、出してみた塗料が下側の写真です。
結局、私が何日も何日も(会社をずる休みして)塗った塗料は顔料が沈殿していた、上澄みだけだったようです。きちんと撹拌した塗料をベイヒバに塗ってみると…
明らかに違います…。
何度か重ね塗れば想像していた色になるだろう、と感じる色です(写真は一回目なのでまだ薄いですが)。
やってしまいました。
まだデッキの写真の掲載は控えますが、完成を「100」とするならすでに「95」までデッキは組みあがっています…。
通常のお庭につくるデッキなら組みあがった状態でも塗装をすることはそれほど大変ではないですが、我が家は題名にも大きく書いている通り「HIGH DECK」、2階のリビングから出られるように作った「ハイデッキ」いや、「空中デッキ」、いやいや「スカイデッキ」です (ココハ ハイデッキ デ トオサンカイ! ゚A‘)≡〇)‘Д゚).・;’∴)
手すり兼フェンスは地面から4.6mの高さにあります。どうすりゃいいんだ…_| ̄|○
普段であれば塗装は材木屋さんにお願いをしているのでこういう事は起きないのですが、今回は建築屋さんが使った塗料(ノンロット)を材木屋さんが仕入れ出来ないこと、また塗装までお願いすると工事に間に合わないこともあって自分で塗装することにしたのですが、本当に「自分ち」で良かった(笑)
お客様のところでやってたらとんでもないことでした。
しかし、顔料が混ざっておらず上澄みだけで塗っていたのですが、ベイヒバは写真のように緑っぽい色なんですが、1階の和室前に縁側風に作るデッキ用に手配した国産杉材に撹拌不足の塗料を塗るとなんと摩訶不思議。ちゃんとこげ茶っぽい色になったんですよね~。
顔料のことを知らない時の同じ塗料(上澄み)で2回塗りした状況です。
不思議でしょ?国産杉のほうはちゃんと茶色の色が出てるんです。なのでこの段階ではやはり木の材質による影響だと思ってました。
ふー、それにしてもやはり餅は餅屋。塗装を簡単に考えず塗装のプロにお願い、または塗り方をきちんと確認するべきでした。それにしても撹拌不足か~。3日、4日ぐらいかかって塗ったものを今度は脚立に乗って塗らないといけないと思うと気が遠くなります…。
ま、よい経験をしたと思って塗料にまみれながら頑張って塗りたいと思います!
塗りが完成すれば色の違いも分かるように完成写真を載せたいと思います。なので今しばらくお待ちください。私の重~い腰が上がるのを…(笑)
あ、最後になりますが、「三井化学産資株式会社」さんのメール対応してくださったY様。
丁寧に対応していただき、またこちらの素人のような質問、疑問にも真剣に答えてくださり、本当にありがとうございます。今まではデッキに塗装することをあまりお客様に勧めてこなかったのですが、今回の件で私自身が勉強できたこと、塗料についてよく知れたこともあり、これからは自信を持ってお客様に塗装についてもお勧めできますので、「ノンロット」を使って建物にあった、また素敵なお庭になるようにデッキなどの塗装をしていきたいと思います。ありがとうございます。