2010年10月26日(火)04時32分
大名庭園サミットに参加してきました。
さて、その内容は・・・
サンポート高松かがわ国際会議場で行われた「大名庭園サミット高松大会」。
会場は満席、香川県知事、高松市長も駆けつけ(といっても挨拶をしてすぐに帰りましたが・・・w)、盛大に行われておりました。
さて、そのサミットの中身なんですが、まず香川大学教授増田拓郎氏による基調講演「庭園景観の保全」からスタートしました。
主に栗林公園の景観保全のお話しでした。
私は栗林小学校卒で、遠足でよく栗林公園に行きました。
また子供の頃には動物園も併設されており、近場の良い遊び場だった印象があります。
しかし、公園がどのようにして、誰に造られたのか、といった歴史は全然知らず、その点は大変勉強になりました。
題目になっている「景観保全」については、栗林公園の西側にある紫雲山の稜線まで(東面)を官有林としたため、現在も自然のまま残っており、紫雲山を借景とする景色は見事で、先見の明が素晴らしいと話しがありました。
なぜ先見の明が素晴らしいか?というと、栗林公園の東側は近年高層ビルが立ち並び、園内から東側を見ると景色の奥にビルが見えてしまい、増田教授が20年近く前に建物の高さ規制を県に進言するも採用されなかった経緯があったからのようです。
また園内で何とか出来ないか、と考え外周に植えられているムクノキ(高さ15~20m)に変わる樹木や、より高くするために足元の地盤面を盛土に出来ないか、もう少し内側に植樹をして視界を遮ろうか、など考えられたそうですが、どの作戦も結局は採用されず、今に至っているとのことでした。
しかし、栗林公園の北側では地区住民が結束し、2008年18mを超える建造物の新築を原則として禁止する地区計画案が承認されました。
その結果も踏まえ、東側についてもこれから景観についてもっと議論されていくだろう、という講演でした。
その後、金沢兼六園・岡山後楽園・水戸偕楽園・東京小石川後楽園・彦根玄宮楽々園・香川栗林公園の代表者がテーマ「大名庭園の樹木と保存」についてパネルディスカッションを行いました。
発表時間が10分間と短かったせいもあるのでしょうが、こちらの内容にはちょっと不満。
今年の夏は特に暑かったため、温暖化対策について話があるのかと思いきや、各庭園の見所や歴史の紹介が殆ど。
また、古図を持ち出し、「公園・庭園が造られた当初の形を復元する、近づけようと思う」といった発言をした公園の代表者が何人か居ました。
う~ん、今更昔の形に近づけてどうしようというのでしょうか?
これだけ気候が変化している昨今、ただ昔の形を取り戻すより、それぞれの公園の特色を生かして今の環境に合わせて「変化・進化」していくべきだと思うのですが。
その話しを期待していたので、このパネルディスカッションにはちょっとガッカリしました。
最後に香川県樹木医会会長の川西玉夫さんの話しがありました(あ、その前に栗林公園観光事務所造園課長高田嘉幸さんの話もありました)。
ようやく、「樹木の保全」についての話しとなり、大変興味深く聞かせていただきました。
まず、「樹木自体を保全するのか、それとも景観を保全するのか」どちらを選ぶかによって対策が変わる、と話しが始まりました。
おっと、このお話しは大変興味深い内容なので、別の機会に改めて書くとします。
E&Gアカデミーでお世話になった猪狩先生とも再会が出来(お話しする時間はあまりありませんでしたが)、庭園を守る活動をしている会に参加もし、大変有意義な午後でした。
ふむ、たまにはこういうのも良いですね。
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